【質問】『使える売買システム判別法』で紹介されている方法で最大ドローダウンを計算したのですが、実際のトレードでそれ以上のドローダウンを経験しました。これはなぜでしょうか?
【回答】
リスクの予測はシステムトレードの生命線ですから、その予測がはずれるとなると不安ですね。そのようなことが無いように、是非しっかりした最大DDの予測ができるようになっていただきたいと思います。
読者からの質問で、最大DDの計算を誤っている例として多いのは、以下の2つがあります。
1)第一に、システム自体が未完成なもの使っている場合です。その場合、システムの動作が不安定で、最大DDの統計学的な推定が難しいことがあります。私の本ではリスク予測の前に、そもそも使えるシステムか否かを調べる手順になっていますので、そのような不安定なシステムは、この段階で選択肢から外せるはずです。是非手順どおり進めてください。
また、T検定もやってみると良いでしょう。拙著では、システムの変調を調べる方法として紹介しているのですが、別の使い方としてシステムの安定度を見る場合にも有効な手法です。安定したシステムではP値は高い値を維持しますが、不安定なものや最適化中でパラメーターを変化させているのものは頻繁に0.05を下回るので、すぐに分かります。
2)最大DDの予測を誤る次のパターンとして多いのが、拙著P.212の標準偏差を利用し、しかも非常に短い期間のデータで判断している場合です。標準偏差でリスクを予測する場合、リスクの大きさは、市場のボラティリティの変化による影響が大きいため、最低でも1年以上の長期間のデータを見て、その最悪値を採用する必要があります。
また、上記のような問題が無くても、統計学的な予測が外れることはあります。むしろ、一定の確率で間違うことを前提に、予測するのが統計学です。そのために、拙著ではポートフォリオを組むことで、100万分の1まで全体としての危険率を小さくしてトレードすることをお勧めしています。詳しくはP.210「三本の矢」をご参考にしてください。
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