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プロフィール

山本克二

二十数年間、システム開発と統計解析を生業としてきました。その知識と経験を元に、FXや先物のトレーディングシステムについて研究しています。いかにシステムの実力を見極めて、そのパフォーマンスを最大限に引き出すかが中心テーマです。今は、執筆活動を中心に、独自の理論や投資テクニックを発表しています。

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2010・05・06

「使える売買システム判別法 確率統計で考えるシステムトレード入門」についての、追加情報です。今回は、「目次(詳細)」、「はじめに」、「さいごに」の全文を掲載します。

目次


はじめに
・システムトレード成功のカギは「選ぶ力」
・確率統計で考える

第1章 システムトレードの魅力

1-1 システムトレードのタイプ
・システムトレードとは
・タイプ①売買ルールの決定
・タイプ②情報収集と分析の自動化
・タイプ③売買の自動化
・タイプ④専門会社の作ったシステムを利用
・タイプ⑤システムの評価と使い分け
・システムの実力を見極めること

1-2 システムトレードのメリット
・心理的リスクの回避
・判断の正確性とスピード
・時間的制約からの解放
・プロのノウハウの利用
・リスク分散による安定性の向上

1-3 システム選択型の例
・選ぶだけの簡単システムトレード
・デモ口座の開設
・基本操作

1-4 システム開発型の例
・口座開設の方法
・口座とツールの設定
・基本的操作手順
・システムの開発と購入
・自動売買

第2章 システムトレードの課題

2-1 システムの実力を知ることは意外に難しい
・優れたシステムを選ぶ基準と順序
・信頼第一
・真実を見えにくくする偶然のノイズ
・システムの性能は常に変化している
・システムはブラックボックスである

2-2 実績データの読み方
・①マクロ的データ
・②ミクロ的データ

2-3 まぐれや偶然に気づきにくい投資の世界
・3人のトレード結果から読み取れることは?
・シミュレーションで分かるトレードの姿
・トレードの成績は偶然か必然か
・偶然の結果に一喜一憂しても時間の無駄

2-4 バックテストでは真の実力は分からない
・システムはどうやって開発するか
・バックテストの限界

第3章 システムの真の実力を知る

3-1 将来のトレード結果を統計学で予測する
・統計的推論とは部分から全体を推論すること
・母集団の特性を知れば将来の結果が予測できる
・大数の法則からやればやるほど確実性が増す

3-2 信頼区間
・信頼区間という幅の意味
・実際のシステム分析例
・信頼区間の計算方法

3-3 仮説検定
・PFとトレード回数に着目する
・PFの変化から見えてくるもの
・仮説検定の考え方
・偶然に起こり得る範囲のPFを求める

3-4 統計的手法の限界も知ってうまく使う
・危険率
・検出力
・信頼区間と仮説検定のリスクの違い

第4章 システムの変調を発見する

4-1 システムの変調とはどのような現象か?
・システムのライフサイクル
・変調の早期発見が収益性確保には重要
・変調発生の実例
・指標と基準値を決めてブレない判断をする

4-2 T検定
・母集団の特性変化を検出して変調を発見
・母集団の平均値で変調を検出する
・変調の実例
・T検定の計算方法

4-3 二項分布
・勝率の変化は利用しやすい指標
・勝率70%のシステムの実例
・検出ポイントの計算方法

第5章 戦略的な資金管理の考え方

5-1 リスクとリターンは投資家の羅針盤
・期待利益を知ればじっくり待てる
・最大ドローダウンが分かれば危険を回避できる
・リスクコントロールの実際
・効率的な投資のための考え方

5-2 資金を安定的に増やしていくためのシナリオ
・資金管理ではシナリオ作りが大切
・シナリオ①リスクを最小化
・シナリオ②複利効果を最大に利用
・バランス型シナリオ
・シナリオの運用例

第6章 リスクを予測する

6-1 リスクを予測するときの重要ポイント
・実績や経験から予測してはならない
・リスクは生命線
・3本の矢

6-2 標準偏差を用いた最大ドローダウンの予測
・自然現象は正規分布している
・最大ドローダウン予測の実例
・統計的方法論
・最大ドローダウンの計算方法
・実例で最大ドローダウンを見る

6-3 最大の連続負け数からリスクを判断する
・真の最大ドローダウン発生の様子を事例でみる
・最大負け数の計算方法

第7章 リターンを予測する

7-1 期待利益を予測するとはどういうことか?
・母集団の平均値を求める
・投資価値と投資効率

7-2 回帰分析でトレードの傾向を数式化
・回帰分析の実例
・正確な期待利益の求め方

7-3 どのようなデータが将来の予測に有効か
・相関係数の意味
・実例による最適データの期間特定

第8章 より精密なポートフォリオの作り方

8-1 使うシステムの数で危険率を最適化する方法
・全体の危険率から個々の危険率を算定
・システムの相関性に注意

8-2 現代ポートフォリオ理論の応用
・基本概念
・計算方法の解説
・なぜ低相関のシステムを使うのか
・システム数の増加によるリスクリターンの変化
・最適なポートフォリオを求める手順
・初めてソルバーを使うときの設定
・ソルバー条件設定
・最適化の結果
・最適解の調整

まとめ
さいごに



はじめに


 FX(外国為替証拠金取引)や株式、先物、CFD(差金決済取引)など、さまざまな 投資分野で「システムトレード」にチャレンジする個人トレーダーが増えています。 システムトレードとは、その場の"直感"や"ひらめき"や"思いつき"ではなく、あらか じめ構築した売買システム(システム)の出すシグナルに機械的に則って トレードをする手法です。

 なぜ、システムトレードが注目されるのでしょうか。それは継続的にトレードの収 益を蓄積するための「メリット」が、この手法にはいくつもあるからです。また、情 報技術の発展によって、個人でも自分でコンピュータにシステムをプログラムできる 環境が、急速に整ってきたことも背景にあります。

 ただ、必ずしも自力でシステムを作ることや、コンピュータでプログラムすること だけがシステムトレードとは限りません。一言でシステムトレードといっても、実に さまざまな取り組み方があるのです。
 そこで本書では、まずシステムトレードの概念と、いくつかのタイプについて確認 したいと思います。そのうえで、この手法で勝つための知識やノウハウについて紹介 します。
 ただし、一般的なトレード書のように、相場分析や売買のタイミング、適正な売買 価格の予測といったことは、一切解説しません。また、システムを作るための技術解 説や、より強力なシステムを作るためのノウハウを提供するものでもありません。
 本書が提供するのは、システムそのものの「優劣」を判断する分析方法、そしてシ ステムを使いこなすためのノウハウ、アイデアです。そのための確率統計の技術につ いて、具体的かつ実践的に紹介します。
 つまり、本書が分析の対象とするのは、相場ではなく、システムそのものなのです 。

●このシステムは勝てる良いシステムか否か?
●このシステムを実際に使ってトレードした場合、どれくらいのリスクとリターンが 見込まれるか?
●そして、どのようにしたらシステムを使いこなして利益を手にできるか?

 それらの答えを得ようというのが、本書の目的です。システムトレード成功のカギ は「選ぶ力」 相場分析をせずに、システムを分析すると聞いて奇異に感じられる方 もいるかもしれません。普通、相場分析がトレードの第一歩となるからです。
 その理由は、この手法の仕組みを考えてみると分かるでしょう。システムトレード には、いくつかタイプがあるものの、いずれにしても自分の"外"に置いた売買ルール で、機械的にトレードをします。私であれ、皆さんであれ、売買ルールさえ良ければ 、そしてそれに機械的に従えば、勝てるトレード方法です。

 現在では、必ずしも自分自身でシステムを作らなくても、専門家の作ったシステム を購入したり、借りたりすることで、システムトレードを実践できるようになりまし た。極論すれば、投資や相場に関する知識や経験、ノウハウなど一切無くても、良い システムを選ぶ力さえあれば、トレードに勝てるのです。
 これは実のところ、自分でシステムを作っている方にとっても同じことがいえます 。自作システムの優劣を客観的に評価できるようになれば、運用成績の格段の向上が 望めるからです。
 つまり、専門家の作ったものであれ、自分の作ったものであれ、システムトレード で最も重要なことは同じといえます。それは、システムそのものの実力を見極めるこ となのです。
 これは、けっして簡単なことではありません。システムトレードについての理解を 深めていくと、 累積利益やバックテストの結果(過去データでシステムを走らせた 結果)など、過去のデータを単純に見るだけでは、システムの真の実力は見えてこな いと分かってくるはずです。
 それでは、どのようにしてシステムの真の実力を明らかにしていくのでしょうか。 それが本書のテーマ「確率統計で考える」ことです。

確率統計で考える

 統計学は、一言でいうと「推定のための科学」です。例えば、テレビの選挙速報で 、わずか数パーセントの開票率にもかかわらず「当選確実」の報が出るのを不思議に 思った方も多いのではないでしょうか。
 これは統計学の技術を使っています。出口調査やその時点の開票結果といった、わ ずかな情報から、まだ投票箱の中身をすべて見ていなくても、数学的に推定できるの です。
 本書では、複雑で不可解な動きをする相場やシステムを大きな"投票箱"と見立てま す。そして、そこから出てくる売買結果をもとに投票箱のすべての中身――すなわち 、今後出てくるはずの売買結果――を数学的に予測します。

 しかし、本格的な分析には、確率論や統計学の本にあるような複雑な数式が必要で す。それでは、せっかくの優れた技術も実用的ではありません。
 そこで本書では、さらに工夫をして、こうした複雑な方程式をすべてエクセルの計 算式で表しました。本書にあるエクセルの式を入力すれば、分析してみたいシステム についてのデータをエクセルにコピーするだけで、高度な統計計算ができるのです。  複雑な方程式の意味は分からなくても、そのエクセルの計算式から結局のところ何 が分かるのか、計算結果として得られた数値は何を意味しているのか、といった基本 事項さえ理解できていれば、実用上は十分でしょう。
 ただ、後々に応用が利くように、エクセルの式のなかで重要な数値の意味は、でき るだけ詳しく説明するようにしました。こうすれば分析に慣れてきたとき、変数を調 整して自分なりの手法を開発できるはずです。

 システムトレードの世界は今、急速に"環境"が整ってきています。高性能で使いや すいシステムトレードツールや自動売買プログラムが開発され、誰もがそれを手軽に 利用できるようになりました。また、そうした先端的なシステムを活用できる証券会 社やFX会社も増えてきています。
 ご自分でシステムを開発される方も、専門会社が開発したシステムに"投資"をした い方にとっても、最終的に重要なのは、システムを選ぶ「目」を養うことです。本書 がわずかなりとも、そのお役に立てれば幸いです。

さいごに


 本書を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 海外では、先物を中心に、システムトレードに数十年の歴史があり、その研究の奥 深さと膨大な情報量には圧倒されるばかりです。システムトレードに理解を示し、有 利なスプレッド(FXやCFDで)や優れたツールを提供するブローカーも多数あり、万 全の環境が整っています。
 そのため数年前までは、日本の個人トレーダーがトレードステーションやメタトレ ーダーといった汎用のプラットフォームを利用して本格的な自動売買をやろうとすれ ば、どうしても海外のブローカーに口座を作る必要がありました。また、経験者が求 めるような本格的な情報を得るためには、英語の書籍か海外のサイトをあたるよりほ かありませんでした。

 しかし最近、そうした海外との大きな"格差"を一挙に取り戻すかのように、日本の システムトレード環境が急速に発展しています。
 例えば、本文で紹介したように最先端のシステムトレードツールを提供する証券会 社やFX会社が、日本にもいくつも登場してきました。また、システム開発にチャレン ジするための情報も充実してきており、自動売買システムを開発し、個人投資家に提 供するシステム開発会社(プロバイダー)も増えています。なかには「世界レベル」 といえる会社も出ており、おそらく今後、こうしたプロバイダーが急速に世に知られ るようになるはずです。
 そうなれば、個人投資家にとってシステムトレードの敷居は、より低くなるでしょ う。専門家の開発した実力のあるシステムが多く提供されるようになれば、必ずしも 自分自身がプログラミングやテクニカル分析、ファンダメンタルズなどに精通してい なくても、本格的なシステムトレードを実践できるようになるからです。
 また、さまざまなプロバイダーが登場することで、裾野が広くなり、この分野の研 究がさらに進むでしょう。それは、利用者にとっては本当に良いシステムに出合える チャンスが増えることを意味します。その結果、システムに投資をするというスタイ ルを選ぶ投資家も増えるはずです。
 そして利用者の増加は、プロバイダーどうしの競争や切磋琢磨につながり、さらに 良いシステムが市場に増えることにつながります。私は日本でも、そのような理想的 な発展のサイクルに入ってきたと感じているのです。

 しかし、情報が多ければ、それに翻弄されることもあり得ます。さまざまなプロバ イダーがバラバラの方法・基準で自らのシステムの優れた面を主張するようになれば 、何を基準にして優劣を判別したらいいのか、何が信じられる情報か、分からなくな ってしまう危険性があります。
 また、市場が大きく発展してくれば、そのなかには必ずしも「まじめ」ではないシ ステムも混じってきます。私は、システムトレードが発展していくなかで、このよう な負の面も同時に顕在化するのではないかと懸念しています。
 そうした"玉石混交"のなか、このチャンスの時代を生かして、安定して長期的に勝 てる投資家になるためには、やはりシステムを見る目を養い、使いこなす技を身につ けるしかありません。そのスキルアップに、本書がわずかなりともお役に立てるとす れば、著者としてこれ以上の喜びはありません。

山本克二

時刻 21:39  | 執筆活動  | 記事URL

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