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2010・03・26
ここまで数回に渡って、開発型のシステムトレードをめざす方のために、参考書を紹介してきました。システムの開発は、ごく大雑把に言うと、戦略のアイデアを考えてシステムを作り、その性能を検証するという2つのことをします。今回は、後者のシステム検証についての参考書です。
ただし、システム検証の知識は必ずしも自作派のトレーダばかりが必要なものではありません。例えば、他者の作ったシステムを購入する場合にも、その良し悪しを評価することが重要です。そういう意味では、外部調達派のトレーダにも参考になる本だと思います。
私自身の研究テーマも今は、この「システム検証」が中心になっていますが、このことの重要さを示す例を一つあげてみます。
私もかつては、ある仕掛けのための戦略を思いつき、この戦略ならあの時も、この時も絶妙のポジションが取れたはず・・・これは凄いアイデアかもしれない、などと興奮することがよくあったのですが、それをプログラム化して長期間の相場データでバックテストしてみると惨憺たる結果ということも、またよくありました。
それは、自分の頭に記憶できている、ごくわずかなデータを元に、その戦略が良い、悪いと考えていることに原因があります。また、自分にとって都合のいいデータしか見えなくなるという、人間の特性も関係しているのでしょう。結局、サイコロを3回振って4の目が2回、3の目が1回出たとして、その経験を元に、「このサイコロは4の目が出やすい」などと決めつけるようなことをしているのです。
このようなことは、実際のシステム開発を始めると多くの人が経験することではないでしょうか。つまり、自分のトレードアイデア(相場観といってもいいかもしれません)は、意外に(客観的な)根拠が無いということに気づかされるわけです。
したがって、一旦作ったシステムの性能を、客観的な方法で評価することは、システム開発になくてはならないプロセスです。
「トレーディングシステムの開発と検証と最適化」
ロバート・パルド/長尾慎太郎/山下恵美子 A5版 267頁 6,090円
この本は、システム評価に重点を置いたものとして知られている「Design, Testing, and Optimization of Trading Systems」の邦訳です。表題にはDesign(開発)も入っていますが、内容は、終始「システムの性能をいかに正確に知るか」という評価側からの見方で書かれているのが特徴です。
今は、高機能なシステムトレードツールがあり、バックテストや最適化などがオートマチックにできるようなっているので、システムの性能が簡単に分かったり、最適化することで飛躍的に性能が上がるように思ってしまいがちです。しかし、この本を見ると、実は様々な落とし穴があり、システムの性能を把握することは容易なことではない、ということに気づきます。
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